戸籍とは?

戸籍は、「日本国民を登録し、その国籍と親族法上の身分関係を公に証明するもの」とされています。

つまり、

  1. 戸籍に記録されている方は日本国籍を持っている日本国民であり、
  2. その日本国民の出生・親子関係・養親子関係・婚姻・離婚・死亡などを証明するもの

であると言えます。

日本国籍をもっていない方(外国人)は戸籍に登録されることはありません。

外国人は、日本国籍を取得または帰化することによって戸籍に登録されます。

ちなみに、住民票は「居住関係を公に証明するもの」とされています。

住民票も現状では日本国民のみ記録されますが、住民基本台帳法の改正により外国人住民にも住民票が作成されることとなりました。(施行は平成24年7月頃と予定されています)

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本籍と筆頭者

戸籍は「本籍」と「筆頭者」で表示されます。

「本籍」は、地番や住居表示を利用してつけられる番号のようなものです。

この本籍は現住所に関係なく自由に変更することができます。(「転籍」といいます)

「筆頭者」は、戸籍の最初に記載されている人のことをいいます。(現在戸籍(電算化された戸籍)では本籍の次に「氏名」として記載されています)

昭和23年以前は「戸主」と言われ、「一家の長」の意味がありましたが、現在の筆頭者には特別な意味はありません。

(昭和23年に戸籍法が全面的に改正され、「家」単位から「夫婦と子」単位の編成に変わりました。)

筆頭者は婚姻などによって新しく戸籍がつくられた時に定められます(婚姻の場合は氏を改めなかった人が筆頭者となります)

また、筆頭者が亡くなってもその戸籍の筆頭者は変わりません。

本籍と筆頭者は共に、戸籍のインデックス(見出し)のようなものだと言えるでしょう。

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戸籍の編成の単位

戸籍は原則として「夫婦とその子」について編成されます。

親子3代の戸籍は認められていません。

(例えば、未婚の母の場合は親の戸籍から出て、母と子の戸籍を新しくつくることになります。また、養子縁組した場合は未婚の養子は養親の戸籍に入ります。既婚の養子の場合は養親の戸籍には入りません。)

そして子が婚姻した場合は、親の戸籍から出て配偶者との新戸籍がつくられます。

ただし、成年に達した子は「分籍」することができます。(一旦分籍すると元の戸籍に戻ることはできません。)

ちなみに、昭和23年以前の戸籍は「家単位」で編成されていたため「3代戸籍」もあり、同じ戸籍に孫や甥・姪などが入っている場合もあります。

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戸籍謄本と戸籍抄本

戸籍の証明に使われる区分として、「戸籍謄本」と「戸籍抄本」があります。

戸籍謄本とは、その戸籍に記載されている内容の全てを証明したものをいいます。戸籍に入っている全員分の証明となります。

戸籍抄本とは、その戸籍に記載されている内容の一部を証明したものをいいます。多くの場合は個人分の証明となります。

なお電算化された横書きの戸籍は、戸籍謄本は「戸籍の全部事項証明書」、戸籍抄本は「戸籍の個人事項証明書」または「戸籍の一部事項証明書」といいます。

役所での発行手数料は同額(450円)です。

相続関連の手続きに使用する場合は、多くの場合「戸籍謄本」を取得します。

戸籍抄本では手続きの添付書類として認められない場合がありますので、注意が必要です。

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戸籍・除籍・改製原戸籍

戸籍自体の種類としては、「戸籍」「除籍」「改製原戸籍」があります。

「戸籍」とは、「現在の戸籍」のことをいいます。
多くの役所では既に電算化されていますが、まだ100%ではありません。ですので、全ての「戸籍」(現在の戸籍)が電算化された横書きの戸籍であるとは限りません。

「除籍」とは、「誰も残っていない戸籍」のことをいいます。
なお、戸籍に記載されている人が死亡や婚姻などによってその戸籍から出る場合は「除籍される」といいます。
少しややこしいですが、「その戸籍に記載されている人が全員『除籍された』戸籍」が「除籍」になります。

「改製原戸籍」とは、「戸籍が改製された際の元の戸籍」のことをいいます。
「改製」とは、法律の改正によって戸籍を作り変えることをいいます。
例えば、電算化された横書きの戸籍が「現在の戸籍」なら、その前の縦書きの戸籍は「改製原戸籍」ということになります。
ちなみに、正式な読み方は「かいせいげんこせき」ですが、「現戸籍」と紛らわしいため、「かいせいはらこせき」または単に「はらこせき」と呼ぶことが多いです。

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戸籍を請求できる人は?

平成20年の戸籍法改正により、第三者が戸籍の交付を請求できる場合が制限されています。

戸籍を請求出来る人は、「戸籍に記載されている方(戸籍から除かれた方を含む)又はその配偶者、直系血族(親・祖父母・子・孫など)の方」に制限されます。
(兄弟や叔父・叔母、姪・甥の方等は該当しません)

上記以外の方が戸籍を請求する場合は委任状が必要です。

なお、行政書士はその資格の範囲内で業務上使用する目的のためにのみ戸籍謄本などを官公庁から取得することができます。

弊所では、戸籍の取り寄せにあたっては法令を遵守し、厳正に取扱しております。(身元調査等、相続・遺言関連手続きの目的以外の依頼は全てお断りさせていただいております)

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戸籍の改製

戸籍の改製とは、法律の改正によって戸籍を新たに作り変えることをいいます。

最初の戸籍は明治5年に制定された「明治5年式戸籍」(いわゆる「壬申戸籍」)ですが、現在は人権上の問題により取得することはできません。

以降何度かの改製がありましたが、現在取得が可能な戸籍の様式は以下の5種類となっています。

明治19年式戸籍
基本単位は「家」。「戸主」を中心に直系・傍系の親族が記載されていた。
明治31年戸籍
「戸主ト為リタル原因及ヒ年月日」の欄が設けられた。
大正4年式戸籍
「戸主ト為リタル原因及ヒ年月日」の欄が廃止され、戸主の事項欄に記載されるようになった。
昭和23年式戸籍
「夫婦」が基本単位となり、「戸主」は廃止、「筆頭者」が記載されるようになった。
現在戸籍
電算化(コンピューター化)によって横書きとなった。
※電算化されている市町村は約70%です。電算化されていない市町村では「昭和23年式」が「現在戸籍」となります。

戸籍を取り寄せる場合に気をつけなければいけない点は、「改製の時点での除籍者(戸籍にいない人)は改製後の戸籍には記載されない」ことです。

例えば、改製前に婚姻などによって戸籍から出た人は、改製後の戸籍には記載されていません。

その証明のために、戸籍を遡って取り寄せする場合がしばしばあります。

更に、転籍などがあれば戸籍の変遷が非常に複雑になります。

また、戸籍を遡るには内容の解読が必要ですが、古い手書きの戸籍で癖字や崩し字で記載されている場合、専門家でなければ解読が困難なことがあります。

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戸籍の附票

「戸籍の附票」とは、「戸籍に記載されている人の住所が記載されたもの」です。

住民票と同じく住所を証明するものですが、その違いは以下のようになります。

戸籍の附票 住民票
管理している役所 本籍地の役所 住所地の役所
記載内容 戸籍の表示・氏名・住所・住所を定めた年月日 氏名・出生年月日・性別・世帯主名・続柄・戸籍の表示・住民となった年月日・住所を定めた年月日など
住所の移動の表示 その本籍地での戸籍の附票改製後の全て 前住所地・現住所地

「住所の移動の表示」に関してもう少し詳しく説明します。

・戸籍の附票
本籍地の変更があった(以前の本籍地の戸籍から除籍された)場合には以前の本籍地にて「除附票」で、改製があった場合は「改製原附票」で遡って確認することができます。(保存期限はそれぞれ、除籍された日または改製の日から5年です)
・住民票
前住所の住民票(除住民票)には、「前住所・現住所・転出した住所」(現住所から見て「前の前の住所・前の住所・現住所」)が記載されています。(除住民票の保存期限は除された日から5年です)

よって、住所地の変遷を確認するには一般的に戸籍の附票の方が便利ですが、戸籍の附票であっても出生から現在までの変遷全てを把握できるとは限らないといえます。

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戸籍の記載事項

現在戸籍(電算化された戸籍)では、本籍・氏名欄に続いて「戸籍事項欄」「個人欄」「身分事項欄」が記載されています。

戸籍事項欄

戸籍事項欄には、新戸籍の編成・氏の変更・転籍・戸籍全部の消除(除籍)や訂正・戸籍の再編成や改製に関して、「いつ」「どういう事由で」「どうしたか」といったことが記載されます。

個人欄

個人欄には、「戸籍に記録されているもの」として、氏名・生年月日・配偶者区分(婚姻中の人)・父母・続柄・(養子縁組している人は養父母・続柄)が記載されます。

身分事項欄

身分事項欄には、出生・養子縁組・離縁・婚姻・離婚・死亡などが記載されます。

例えば「出生」なら、出生日・出生地・届出日・届出人が、「婚姻」なら、婚姻日・配偶者氏名・従前戸籍が記載されています。

なお、身分事項欄中に「従前戸籍」「入籍戸籍」「新本籍」と記載されていることがありますが、これはそれぞれ、

  • 従前戸籍・・・どの戸籍からきたか
  • 入籍戸籍・・・どの戸籍に入ったか
  • 新本籍・・・どこに戸籍を作ったか

ということを意味します。

縦書きの戸籍でも記載事項は基本的には同じですが、現在戸籍のような箇条書きにはなっていませんので、多少読み解き辛いかもしれません。

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